|
ですが、一方では、小さなうちから、とにかく厳しく早期教育をしたほうがいいのだ、という意見があります。 これはやはり疑わしさがあります。 まだ満足に言葉も話せない赤ちゃんに、英会話を聞かせ続ければ、大人になっても英語の発音が聞き取れるようになる、という人がいます。 なんだか、ものすごくウソっぽいですね。本当に科学的な根拠があるんでしょうか。 育児書を読んでいると、「モーツァルト効果」について紹介してあるものもあります。小さな赤ちゃんにモーツァルトを聞かせていると、頭が良くなるというのです。 これは、1993年にカリフォルニア大学のフランセス・ローシャーという心理学者が、「ネイチャー」という一流雑誌に発表した論文によって話題になりました。モーツァルトを聞かせた子どものIQがアップしたというのです。すごいですね。それが本当なら。 ですが、その後にさんざん追試が行われまして、そちらの方では「モーツァルト効果なんて見られないぞ!」という結果ばかりだったようです。 つまり、大きな意味のある変化はなかったようです。 言ってみれば、偏差値が48から49になるようなもので、ほとんど効果などないということです。あるにはあっても、びっくりするような劇的な効果はないのです。 子どもの成長が心配なのはわかりますが、焦っていろいろやってみても、効果などはないのではないでしょうか。 孔子は、15歳くらいで学問に目覚めたらしいですが、本気で勉強を始める気になるのは、やはりそれくらいの年齢なのかもしれません。 ただ、子どもに勉強を習わせるのが無意味だというわけではなく、学校で学ぶよりも前に九九ぐらいは覚えさせたいものです。 ただ、小学校の頃には、勉強以外にも、いろいろ学ばせなければいけないことがあります。特に、他の子どもと遊んだりするのは、小学生が一番だと思います。 中学、高校と進むと、なかなか遊んだりするのは難しくなるので、日が暮れるまで遊ばせたほうが、学問とは違う知識をたくさん得られるのではないでしょうか。 子どもが負担になるほど、早期教育をやらなくても、そのうち他の子には追いつくので心配いりません。むしろ、子ども時代にしかできない体験をもっとさせてあげるといいでしょう。 |
|
|||||||||||||||||||
Copyright (C)2018. 子どもの立派な育て方・しつけ方 All rights reserved. |