|
「子どもとは、友だちみたいな関係でいたい」という親がいますが、これは一体何を言っているのでしょう。あまりにも馬鹿げた発想でびっくりしてしまいます。 子どもは子どもであり、親は親です。 友だちというのは、あくまで横並びの関係を指しますが、親と子どもは、明確な上下関係に基づいています。それがなければ、親と子の関係はうまくいきません。 そういえば、一昔前、職場でも地位関係、上下関係をできるだけなくそう、という運動が流行ったことがありました。「部長」とか「課長」といった肩書きを取り払って、「○○さん」と呼びかけよう、などという運動もありました。 そういった会社は、どうなったと思います。 上下関係が曖昧になり、部下は上司の命令を聞かなくなり、業績は悪化して、どうにもならなくなってしまったのです。 業績のいい会社は、上下関係がきっちりしていて、部下は上司の言うことをよく聞きます。上司がそうするように、正しく指導を行っているからです。 上下関係があるから、ピシっとした組織ができあがるのです。 学校でもそうです。 生徒から、「○○先生」と、きちんと「先生」をつけて名前を呼ばれている先生は、よいでしょう。「先生」だと認識されているわけですから、ところが、「くみちゃん」とか、「文夫さん」などと、自分の名前に「さん」づけで呼ばせている先生は、先生扱いされていないことに気づかなければダメです。 最近では、わざわざ自分のことを「さん」づけで呼ぶようにと指導する先生もいるというので、呆れてしまいます。本人はそれでよいかもしれませんが、先生には笑われていますよ。自分のことを「先生」と呼ばせないのは、「先生」であることを自ら放棄しているのと同じです。 先生はあくまで先生なのです。友だちではありません。 父親は父親らしくしましょう。 子どもが生意気な口をきいてきたら、ゲンコツをするのが父親です。 自分の息子が「おやじ、ちょっとそこのテレビのリモコン取ってくれよ」などと言ったらどうでしょう。もしそんなことを言れたら、父親なら「なんだっ、親に対してその口のきき方は!」とすぐに飛びかかり、ゲンコツをするべきです。 親に対する口のきき方ができていない子どもは、先生に対しても、世間の誰に対しても、正しい口のきき方ができるわけがないのです。最近の子どもは敬語が使えないと言われますが、家庭でも丁寧な言葉で話すようにしつけなければならないのです。 「言葉遣いの悪さは、育ちの悪さ」と言われます。 正しい言葉遣いができるようになることは、とても大切なことなのです。 華族の教育機関としてスタートした学習院には、いつもで「ごきげんよう」に代表される「学習院ことば」が残っているそうですし、英国のウィリアム王子らが通ったことで知られる名門パブリックスクールのイートン校にも、同じく、「イートン語」という厳格な言葉遣いがあるといいます。 将来、子どもを立派な大人にさせたいのであれば、立派な言葉遣いができるように家庭でもしつけてください。 ある心理学者のデータによると、「アイスクリームを食べる?」と聞かれたとき、アメリカ人の低所得者層は「Yeah」と答え、中産階級では「Yes」と答え、アッパーミドルクラスでは、「Yes・I・would」と答え、上流階級では「Yes・I・would・Thank you」 と答えるそうです。話し方によって、その人の育ちの良さというか、階級がわかってしまうわけです。 子どもは、学校に入学すると、いろいろと汚い言葉を覚えてきますが、それを家庭では許してはなりません。将来の子どものためを思えば、言葉遣いに厳しくするのも、立派な親のつとめであるといえるでしょう。 |
|
|||||||||||||||||||
Copyright (C)2018. 子どもの立派な育て方・しつけ方 All rights reserved. |