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「子どもに勉強を強制するのはよくない。本人がやる気になるのをじっと待つのが親の役目だ」などと、したり顔で述べる人がいます。 しかし、これは間違いです。 こちらが待っていたら、子供はいつまで経っても勉強をするようにはなりません。 なにしろ、学校の勉強なんか、もともと面白くもなんともないのですから、親が口を出さなければ、子どもはこれ幸いとばかりに、一日中、ずっと遊びまわるでしょう。 親は、勇気を出して子どもに強制しなければなりません。 子どもの言い分に、いつでも耳を貸していたら、教育もしつけもできません。 「勉強しなさい」 「近所の人に、元気な声で挨拶しなさい」 「帰ったら、すぐに宿題を終わらせなさい」 「テレビばっかり見ていないで、早く寝なさい」 すべて強制ですよね。 どんなことでもそうなんですが、「子どもがやりたくなるのを、待つ」なんて悠長なことを言っていたら、何ひとつしつけることはできません。 自分から積極的に勉強をし、率先して誰にでも挨拶する・・・そんな「よくできた子ども」は、1万人に1人くらいのものでしょう。他の9999人の子どもには、きっちりしつけをしないと立派な人間になれません。 教育というのは、どうしても強制力を行使する必要があるのです。 そして、それができるのは「親だけ」なんじゃないでしょうか。「親の権利」として、それを行うのです。学校の先生を含め、他人にはそういう権利はありませんから、なかなか強制することはできません。ですから、中途半端なしつけしかできません。 親であるみなさんなら、それができます。というより、親であるみなさんしか、それができないのです。「子どもの人権」を尊重するのはもっともですが、「親の権利」で子どもに強制しないと、ロクでもない大人になってしまうことがあるということを忘れてはいけません。
数多くのベテラン教師に、「子どもをうまく扱う方法」について尋ねたところ、「私は先生だぞ!」と立場を振りかざしたり、「強制」したりするやり方は、まったく効果がないということです。 それでは、どうやって強制力なしで子どもをしつけたらいいのでしょうか? 「やさしく言って聞かせる」 というやり方で、本当に効果があげられるのでしょうか。これはものすごく懐疑的です。そんなことで、子どもは言うことを聞いてくれません。特に、元気な男の子はそうです。 「やさしく言って聞かせる」ことで効果があげられるとしたら、子どもが小さいうちからみっちりと教育をし、何でも素直に親の言うことを聞くようになった、ある程度の分別がついた子どもだけです。 生まれてから数年間の間に「親は怖い」とか「親の言うことは聞かなければ大変な目に遭う」という思いをした子どもは、大きくなってからも、素直に言うことを聞きます。 この段階になれば、「やさしく言って聞かせる」というやり方も期待できます。「やさしく言っているうちに言うことを聞かないと、怒るよ」と凄んで見せれば、子どもは慌てて言うことを聞くでしょう。 子どもが小さいうちには、「やさしく言って聞かせる」だけという甘いやり方は通用しません。 |
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