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男の子には、早食いの習慣をつけさせましょう。 「きちんとよく噛んで食べさせたほうがいいのでは?」 と思うかもしれません。たしかに、栄養学的にはそうなのでしょう。しかし、心理学的には、あまりおすすめできません。 食べ方がのんびりしている人は、仕事の作業も、他の行動も速いという傾向があります。程度にもよると思いますが、行動が遅い人間は、社会に出てあまり役に立つません。 ある企業では、入社希望者全員に昼食のお弁当を出し、その食べ方をこっそり観察するそうです。そして、一番早く食べ終えた順番から、採用していくそうです。 「食べ方の遅いヤツは、仕事も遅いですからね。そういう人間は、ウチにはいらないんです」 というのが人事担当者の言葉ですが、仕事をしていても、実際、そのとおりです。 田中角栄さんは、選挙期間中は、おにぎりしか食べませんでした。他の候補者がのんびりとお昼を食べているとき、おにぎりならさっさと食べることができますし、さっさと食べ終わられることができれば、他の候補者より一回多く演説ができるから、というのが理由だったそうです。 角栄さんは、「なぜ選挙に強いのですか?」という質問に、「俺は、他の候補者より演説をたくさんやっているから」と答えたそうですが、そのための時間をひねり出すために、早食いの習慣を作ったのでしょう。 食事時間が1時間以上もかかる子どもがいます。 こうなると、お母さんの日課の妨げになります。栄養がどうのという問題ではなく、時間がかかるなら食べさせなくていいんです。食べさせなければお腹がすきますし、お腹が空いていれば、むしゃぶりつくように食べます。そして、食事に感謝する子どもにもなります。 食事だけでなく、すべての行動テンポを速くするように子どもには求めてください。 洋服を着るのも、靴を磨くのも、読書のスピードも、何かを決断するスピードも、とにかくすべてスピードアップさせてください。 ある大学の先生によると、スポーツにしろ、勉強にしろ、「実力」や「腕」や「技術」といったもの(スキルと呼ばれています)を身につけたいのなら、どれだけ速くできるかが重要なのだそうです。 ですから、文字を書く練習でも、「きれいに書けなくていいから、とにかく速く書いて!」「汚くてもいいから、速く書くことが大切だ」と教える人もいます。文字を書くスピードが遅い人間で、頭のいい人間はあまりいないとも言われています。 食事をさせるときにも、お箸のきれいな使い方ですとか、食事中の正しい姿勢といったものは、もっと大きくなってから教えるべきであり、子どものうちには、とにかく手早く食事をすませる、という習慣をつけさせたほうがいいのかもしれません。 |
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