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カナダとアメリカの日系人についての調査によりますと、日系人の一世、二世はともに犯罪や非行がまったくみられなかったそうです。そのため、「日本人の優秀性」などと言われたこともあったようです。 ところが、時代とともに、三世、四世になるといろいろな問題が現れ始めたといいます。日本人が優秀だったのではなく、厳しく子どもをしつけるという日本の教育が良かったのでしょう。 戦後、日本の教育もアメリカ式になり、子どもの自由というものが大幅に認められるようになりました。 学校でも、先生が厳しくやろうとすると、「それは軍人教育だ!」などと非難され、厳しくできなくなったのです。 ちょっとでも手をあげると、教育委員会やPTAがすぐに騒ぐ世の中ですから、先生たちは本当にかわいそうだと思います。先生が厳しくしたくとも、厳しくできないのですから。 今では、親のほうが厳しくしてくれるよう担任の先生にお願いする人もいるようです。 「先生、うちの子どもには、とにかく厳しくしてください。言うことを聞かないようなら、遠慮なくビンタをしてくださってもかまいません。後になって『体罰教師だ!』などと騒ぐことは絶対にありません。とにすく厳しくしてください。親としてのお願いです。よろしくお願いします」 ですが、担任の教師としては、「ノー」という答えだったそうです。そういうことはできない、というようです。 それでは、「うちの子どもが言うことを聞かなかった場合には、どうするのですか?」と尋ねてみると、「それは口でやさしく説明したり・・・」ということです。今の日本では、「放っておく」くらいしかできないからでしょう。 「厳しい教育はダメだ」などと、だれが、どんな根拠で言い始めたのでしょうか? 実際は厳しい教育こそ大切なのです。 伝説的なイングランドのサッカー監督ブライアン・クララは、とても厳しく、管理された権威主義的な指導をしました。練習場でも、選手のやる気を失わせるような叱責ばかりしていました。 ところが、ピッチ上の選手は、イングランドリーグでもっとも勤勉で、団結したチームとなり、UEFAチャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)2連覇を始め、輝かしい実績を残したのです。クララは、イングランドのサッカー史に名を刻む名将と言われています。 クララの業績に興味を持って研究を行った心理学者アイエンガーも、「厳しい指導だから、ダメ」なのではないと指導しています。選手たちも、甘くて、ぬるい指導で中途半端な成績しかあげられないよりも、厳しくてもいいからきちんとした成果をあげたいと思っているので、むしろ厳しい指導を喜んで受け入れるそうです。 かつて、日本の女子バレーボールを世界一のチームに仕立て上げた「鬼の大松」こと、大松博文さんも、その厳しいスパルタ指導で有名でしたが、選手たちはみな大松さんを慕ってよくついていきました。 「厳しい教育はダメだ」などということはありません。 最近では、アメリカでは教育に対して厳しい姿勢をとりつつあるようです。 子どもの自由を認めすぎた結果、非行が増えたり、教育水準が下がったしまったことへの反省のためです。 ところが、日本では相変わらず、子どもを甘やかす教育がなされています。これではいけません。学校の先生に厳しさを求めるのも難しいですから、親が厳しくしなければいけないのではないでしょうか。 |
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