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最近の大学では、学生に先生を評価してもらうシステムになっています。先生は、学生の評価をもとに、講義を改善しなければなりません。 かつての大学の先生というと、講義の開始時間には平気で遅れてやってくるとか、勝手に休講にしてしまうとか、ものすごくやる気のない態度がミエミエだったものですが、学生が評価するとなると、気が抜けなくなります。今の大学の先生は、ものすごく真面目な人ばかりになりました。 その意味では、学生による評価システムも悪いことではないのです。 しかし、学生からの評価を気にし過ぎると、厳しく教えることができなくなる、という困った問題も起きます。 学生に知識をつけてもらうために一番いいのは、たくさん課題を与え、うんざりするほどレポートを書かせることです。これは間違いありません。 しかし、そうやって厳しくすると、学生からの評価はものすごく悪くなってしまうのです。 学生のために一生懸命にやればやるほど、どうしてもハードな講義になりますから、学生は嫌がります。そのため、熱心にやるほど、自分の評価は反比例して下がってしまう、という皮肉な結果になります。さらにまた、大学の事務からは、「評価が悪すぎるので改善してください」と怒られてしまうのです。 こういう評価は人気取りの評価であって、真面目にやっている先生かどうかの評価ではまったくありません。ある意味では、学生からの評価が低いほど、先生としてはいい評価をつけざるを得ないのかもしれません。 子どもの教育も同じです。子どものご機嫌取りをしていたら、嫌われることを恐れていたら、教育なんてできません。 子どもはたっぷり甘やかしてくれる親が好きに決まっています。ご機嫌ばかり取っていれば、子どもは「お父さん、お母さん、大好き!」と言ってくれるでしょう。それはそれで嬉しいかもしれませんが、子どもはだんだんとダメになっていきます。 注意すべきときに、注意していれば、「うるさい親だな」と嫌われます。しかし、そこで怯んではいけません。 「おい、俺が名前を呼んだら、すぐに『はい』と返事をしろ!」と叱ると、子どもたちはものすごくふてくされた顔をするし、気に入らないという気持ちが顔に出てしまうでしょう。 このとき、ダメな親なら、子どもに嫌われるのを恐れて、「・・・まあ、次から気をつけろ」などといきなりトーンダウンしてしまうでしょうが、これなどはよくありません。 そんなときには声を荒げて、「おい、なんだ、そのふてくされた顔は!」と叱ることです。嫌いな感情を顔に出さない、と教えるのも大切ですから、そこまでちゅういしなければなりません。 子どもからの評価をあまり気にしてはいけません。気にすると何も教えられないことになってしまいます。 |
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