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学業ができないほど、子どもを牛馬のように働かせるのは好ましくありません。 しかし、子どもに何の家事もやらせずに、自宅にやってきた「お客さん」を扱うようにするのも、同じくらい悪いのです。 子どもも、家族の一員なのですから、何らかの責任を分担させましょう。 ペットの犬の散歩でもいいですし、花壇に水やりをさせるのもいいでしょう。 トイレ掃除でもいいのです。玄関先の靴を揃えさせるのでもかまいません。 とにかく何か、「これくらいは、できる」というものを与えてください。 そのほうが、子どもの生活にもメリハリが出てきますし、責任感を養わせることもできます。 介護施設やホームでは、スタッフの人たちが何でもやってくれます。 しかし、それでお年寄りが元気に、イキイキと暮らせるかというと、そうではないことがわかっています。 ある学者が、ある施設においてこんな実験をしたそうです。その施設は、スタッフが気を利かせてお年寄りのために何でもやってあげていたのですが、なぜか老人の死亡率が非常に高かったそうです。またお年よりはみな元気がなく、他の入居者とおしゃべりを楽しむこともしませんでした。 ところが、お年寄りたちにも仕事を与え、自分でできることは自分でやらせるようにしたところ、お年寄りたちは元気になって、死亡率がそれまでの半分に減ったそうです。 今の子どもたちは、家庭でやることがありません。 みな、親がやってしまうからです。 だからこそ、子どもたちはあまり、元気がなくなってしまうのではないでしょうか。 「お前は、若いんだから、これくらいやれ!」 「ついでにこれもやれ!」 仕事をどんどん子どもに与えましょう。 家事をやらせるのは、子どもをイジメているわけでも何でもなく、むしろ必要なことなのです。「かわいそうだ」などと思う必要はありません。 「勉強だけ」やらせても、子どもはつまらないですよ。むしろ、お皿を洗わせたりすることが、いい息抜きになったりしますから、何の心配もいりません。 「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」という仕事を複数抱えているほうが、子どもにとっても、いい意味での刺激になりますし、また効率よく作業をこなすダンドリなどを磨くこともできるでしょう。 |
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