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子どもは、歩いていたら、子どもではありません。 授業中に、席を立って、フラフラするような行動は問題ですが、休憩時間くらいは、廊下を走り回っても、あまり目くじらを立てなくてもいいのではないでしょうか。授業中も静かに、では、子どもだってストレスが溜まってしまいます。 「子どもは、静かに、大人しくさせるべきだ」というのは、考え方としてはよく理解できます。 公共の場所、たとえば、電車やバスの中で走り回るのは、他の乗客の迷惑になるので、親としては厳しくしつけたほうがいいでしょう。 ですが、いつでも子どもに「動くな!」と命じるのは、あまりにも酷というものではないでしょうか。 人間も、動物の仲間ではありますが、動物とは「動く生き物」という意味です。動かなくなったら、あるいは動けないようになったら、子どもは精気をを失ってしまうものです。 わかりやすい例でいうと、動物園の動物たちです。檻の仲に入れられた動物は、みな一様に、元気がなく見えるのも、動きが制限されていて、思いっきり走り回ることができないためです。 狭いところに閉じ込めて、動きが制限された動物たちは、子育てがうまくできなかったり、子殺しをするようになったり、自然な環境では起こりえないような異常行動をとるようになることが知られています。 子どもも同じで、「動くな、おとなしく座っていろ!」と動きが制限されると、どこか歪んでしまうのではないでしょうか。 人間でも、身体的に衰えて、介護を受けざるを得なくなった人、すなわち行動が制限された人は、心が落ち込んで、元気がなくなり、無能感を強く味わうようになるそうです。 人間は、動いていると元気になるのであって、動かなくなると、とたんに元気がなくなってしまうのでしょう。普段あまり動かない成人を対象に、「毎日20分の散歩」をさせるようにしたところ、心がイキイキしてきて、抑うつ感がなくなった、という報告もあります。 子どもが、家の中を走り回っていると、たいていの親は、「静かにしろ!」と怒ってしまうものですが、少しくらいは大目に見てあげてもいいかもしれません。 元気な証拠だと思えば、あまり腹も立たないのではないでしょうか。 |
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