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そういう知識人からすると、運動会のかけっこで競争させることは悪いことになります。中学校の実力テストの学年順位を発表するのも、悪いことになります。1位になった人は嬉しくても、ビリになった人はかわいそうだというのです。 ですが、子どもはそんなに弱い存在なのでしょうか。 私は、そう思えません。 競争すれば、当然、「負ける子ども」も出てきます。 当たり前です。競争したのですから。 しかし、子どもを競争させることがかわいそう、というのは心配しすぎですし、現実的にはおかしなことをしていることになります。大人になれば、もっと熾烈な競争に巻き込まれるのは確実なのですから、負けの味を教えておかなければなりません。 負けることが、なぜ悪いのでしょう。 負けることにより、子どもに悔しい思いをさせ、「こういう悔しさを味わいたくないから、もっと努力しよう」という気持ちにさせることができるなら、十分に教育効果があったと考えられませんか。 むしろ、競争に負けても全然気にしないとい顔をしている今の子どものほうが問題だと思います。「負けたら、悔しいのだ」という当たり前のことを教える必要があるのです。 競争は、人のやる気を高めるのです。 勝った人は、「嬉しいから、もっと頑張ろう」と思いますし、負けた人は、「チクショウ、次は負けないぞ」とやはり発奮して、やる気を出します。競争に勝った人にも、負けた人にも同じように役に立つのであって、負けたことがすぐにトラウマになるようなことはありません。 会社では営業成績をグラフで示して、セールス・ヒンテストを実施していますが、結果的には、やる気を高めることに貢献しているという研究報告もあります。競争自体が悪いことはないのです。だから、数多くの会社で、成績表などを張り出しているのです。 中学校の実力テストの成績を廊下に張り出さないようにしても、大人になれば、成績は否応なく張り出されるのです。ですから、小さな頃から、競争に慣れさせておくことも大切なのではないでしょうか。
もしそういう試験があるのなら、積極的に申し込みをして、試験を受けさせましょう。学校でやってくれないのなら、個人で申し込みをしましょう。とにかく、あらゆる機会をとらえて、テストをどんどん受けさせるのです。 普通、テストというと、どの程度の知識を獲得できているかを確認するために利用されます。 しかし、そうではなくて、テストには「学習を促進する」という機能もあるのです。 子どもは、テストの結果や、自分の順位を知ることによって、やる気を出すのです。 ある調査報告では、中学校でどんどんテストを出したクラスと、まったく出さなかったクラスで、最終的なテストの成績を比較しマスト、テストをどんどんしていたクラスのほうの成績のほうがかなり良かったという、結果が出ています。 テストで競争を煽るのは良くないなどと、だれが、どんな根拠でいい始めたのかわかりませんが、実際は逆なのです。子どもは、試験を受けて、自分がどれぐらいできるかを知りたいのです。また、競争に勝って、他の子どもより上に立てるのが嬉しいのです。 知識を詰め込むばかりでは子どもは面白くありません。他の子どもと競争する模擬テストは、いわばスポーツにおける退会のようなものです。大会前に、選手たちが張り切って練習するのと同じように、子どもたちだって、試験という大会前には、ものすごくやる気を出して張り切って勉強できるのです。 |
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