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サーカスにいるライオンやトラ、ゾウといった猛獣たちは調教師のいうことをよく聞きます。頑丈な檻の中に入れているわけでもないのに、暴れたり、逆らったりすることはありません。 どうしてだと思いますか。サーカスの調教師たちは、どうやって人間より腕力のある動物たちを手なずけているのでしょうか。 そのやり方は、「赤ちゃんのうちに仕込む」ことなのだそうです。 「百獣の王」と言われるライオンでも、生まれたばかりのときは、小型犬くらいの大きさしかありません。この時期であれば、人間の力でもやすやすと言うことを聞かせられます。 小さいうちに、腕にヒモをつけて柱につないでおくと、ものすごく暴れますが、動くことはできません。暴れて、暴れて、暴れまくっているうちに、ライオンは学習します。「このヒモが腕につけられてしまうと、動けないんだな」と。 これを学習したライオンは、立派に成長してからも、腕にヒモをつけられると、おとなしくなります。「どうせ、動こうとしても動けないでしょ」ということをさんざん学習したので、今ではヒモを引きちぎるくらいの力があっても、逆らわなくなるそうです。 人間の子どもも、同じです。 小さな頃は、厳しい顔を見せておけば、子どもは「親に逆らうものではない」「どうせ逆らっても勝てない」ということを学びます。そうなれば、子どもが成長して、腕力で勝てなくなっても、親に逆らうことはしません。 「そんなことをすると、子どもは無気力になっちゃうじゃないの?」 と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、騒ぐべきときではないときに、静かにしていられる、規律を守れる子どもになります。 子どもを好き勝手に自由奔放にしてもいいのです。 ただ、それは、ある程度、大人になってからです。 小さなうちは、厳しくしつけて、しっかりと社会性と規律を身につけさせましょう。その後で、子どもが中学生、高校生になったら、ある程度自由にすればいいのです。 「何ごとも最初が肝心」と言われます。小さなうちなら、子どもは何でも覚えてくれますが、大きくなってからではそうはいきません。音楽を教えるなら3歳までの教育が重要と言われますが、他のしつけに関しても、3歳までにいかに厳しく教え込むかが重要なのです。
犬は、悪いことをしたときに、すぐにその場で叱れば、「これは悪いことなんだな」ということをしっかりと認識します。厳しくすると、そのぶん、しつけが行き届きます。 では、ネコのほうはどうなんでしょう。 ネコが悪さをしたときに、「ダメっ!」と大きな声を出しても、ネコは自分が何か悪いことをしたとは認識しません。ただ、飼い主を嫌いになるだけです。 「なによ、いきなり大きな声なんか出しちゃってさ」とふてくされるのです。このあたりは、ものすごく女の子に似ています。 ちなみに、ネコをしつけるときには、「天罰方式」がよいとされています。飼い主が直接に手を出したり、声を荒げたりするのではなく、ネコがテーブルの上にのぼろうとしたら、自分は隠れたところに潜んでいて、オモチャの銃などでバーンと大きな音を出せばいいのです。 ネコはびっくりしてテーブルから飛び降ります。何度かこれをやっていれば、ネコはテーブルにのぼらなくなります。あくまでも、自分では手を下さず、天罰が落ちればいいのです。 女の子は、自分で勝手に失敗し、天罰を食らって痛い目をみると学習します。 「子どもを放っておいても大丈夫」なのは、女の子だけなのです。 会社でもそうで、女性社員にはあまり口を出さなくても、けっこう自分で学習してくれます。上司や先輩から、あれこれ口うるさく言われると嫌われるだけなので、そんなことはしなくてもいいのです。 男性社員は、そうはいきません。その場、その場できちんと叱責、注意、指導を受けたほうが、「なるほど、これはよくないのか」ということを学習してくれます。むしろ、怒られるまでは、自分が悪いことをしているとは思いません。 男の子には、とにかく、繰り返し言って聞かせなければダメです。 「一回注意をしたんだから、直してくれるだろう」などと、期待してはいけません。 百回でも、千回でも、言うことを聞くまで注意し続ける根気が親には求められます。そんなことを女の子にすると嫌われてしまいますが、男の子なら大丈夫です。どんなに叱っても、やっぱり飼い主を見ると飛びついてくるワンちゃんと一緒で、男の子は、親を嫌ったりしないものです。 |
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