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なぜでしょうか。 その理由は簡単です。テレビがなかったら、子どもは自然と退屈するからです。 退屈すれば、子どもは「どうしようもなくヒマだから、本でも読むか」という気持ちになります。あるいは、「ヒマだから、父親としゃべろうかな」という気持ちになります。 テレビを与えてしまうと、親子のコミュニケーションがとれなくなるのであって、テレビがなければ、必然的に、家庭でのおしゃべりの量は増えるのです。 子どもにテレビを与えておきながら、「勉強しなさい」と矛盾したことを命令する親御さんも多いです。 それは無理なことです。 部屋にテレビがあるのに、勉強させるのは無理というものです。 それはちょうど、お酒を飲むのが好きな人の前にお酒を置いておきながら、「この酒は飲んじゃダメですよ。我慢するんですよ」と言っているのと一緒のようなものです。 お酒を飲ませたくないのなら、自宅にお酒なんか置かなければいいんです。 そうすれば、お酒も飲めません。 心理学では、このようなやり方を「刺激コントロール法」とか「環境コントロール法」などと呼ばれています。 ある心理学者は、このようなやり方をすれば、うまく自分の行動を変えることができる、と述べています。 「うちの子どもはテレビばっかりで・・」 というのなら、テレビを捨ててしまったらどうでしょうか。 テレビという刺激が、子どもの集中力を失わせる原因なのであれば、その刺激そのものをどこかに取っ払ってしまえばいいのです。 テレビを取っ払う代わりに、子どもの年齢に応じた本でも置いておけば、子どもは自然とそちらを手にとるようになります。 大人だって家で仕事に集中しようと思ったら、仕事に関係する資料や書類だけをデスクの上に置いて、自分の好きな漫画やゲームなどについては、目の前に置かないことです。そんなものがあると、気が散ってしまって、結局、仕事が手につかなくなるでしょう。 刺激コントロール法というのは、非常に便利な方法です。 子どもが、肥満児だと診断されたのなら、「ダイエットをしなさい」とか、「甘いものを我慢しなさい」などと頼んでもダメです。それより、最初からお菓子などを買ってこなければいいだけです。 最初の数日こそ、子どもは「あれっ、おやつは?」とか「お菓子は?」と言ってくるかもしれませんが、そのうちなければないで、それほど気にしなくなります。環境を整えることによって、自然と子どもを良い方向に導くことが重要なのです。 |
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