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親は子どもを無菌状態で育てようとします。特に母親がそうです。ほんの少しのバイキンで、わが子が死んでしまうとでも思っているのでしょう。 しかし、これは逆です。 子どもには、小さな頃からバスイキンに親しませたほうが、結局は免疫がついて、丈夫でたくましい子どもへと成長します。 子どもが砂場で遊んでいると、すぐにやめさせる親がいます。「砂場にはバイキンがいっぱいいるんだから、薬用せっけんで手を洗いましょうね」と子どもを促して、砂場から去っていきます。 しかし、砂場にいる菌など、流水で10秒も洗えば落ちるのです。よほどのことでなければ石鹸も必要ないでしょう。 ある医師は、「バイキンが子どもを強くする」と主張しており、日本の行き過ぎた清潔主義に警鐘を鳴らしています。 人間の体というのは、バイキンだらけです。 人間の体に棲みついているバイキンは「常駐菌」と呼ばれ、100兆以上もいるそうです。 といっても、体にとって必要な菌もたくさんいるのですが、それらの菌が全部「汚い」ということになると、「人間そのものが汚い」ということになってしまいます。これでは、人づき合いもできなくなります。 清潔主義が進みすぎて、自分の汗やウンチり臭いも忌み嫌う子どもが増えているといいます。そういう子どもは、人間が生き物であることさえ否定するようになります。 人間はやがては老いていくでしょうし、病気にもなります。老人になりますと、体やおしっこも臭くなります。そのときに、子どもが「汚いもの」として、親に拒絶反応を起こすことは、十分に考えられます。 親が、「電車やバスの手すりには触っちゃダメよ。汚いバイキンがいっぱいなんだから」という教育を施すと、小さな子どもは、親が言うことはすべて正しいと思っていますから、素直にそれを信じてしまいます。こういう子どもは、日常生活の些細なことに過敏になってしまって、神経質な大人になります。 「人の唾液には、バイキンがいっぱいなの。だから、他の子どもが食べかけのお菓子を分けてあげる、って言ってきても食べちゃダメよ」と教えられた子どもは、たしかに食べかけのお菓子を食べなくなるかもしれませんが、将来、好きな人とキスすることもできなくなるのではないでしょうか。 お母さんたちは、いろいろな病原菌が怖いので、どうしても過敏になりがちです。 そこでお父さんの出番です。 お父さんが子どもを野山に引っ張り出して、子どもを泥だらけにさせるのです。汚いものもへっちゃらな男の子に育てましょう。 昔の子どもは、ドブのような川に入って、ザリガニやドジョウ、タニシなどをとったものです。親が気にしなければ、子どもも気にせず、ドブの中で遊びます。そうやって逞しく育てないと、男の子は強くなれません。ちょっと洋服が汚れたくらいで、神経質になるような人間に育てないためには、ます親自身が汚れてみせることが必要なのです。 |
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