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暗記を中心にした詰め込み式の教育方法は、知識を増やす意味では有効ですが、暗記することに終始するあまり、それが実際に身についているかは別問題です。 厳しい受験勉強を乗り越えた人が、10年、20年と時を経て、もう一度同じ試験を受けたとき、どれだけ点数を取れるでしょうか。せっかく覚えた知識を、ほとんど忘れてしまったという人も少なくないはずです。 暗記を苦手としている子どもを持つ親の中には、「うちの子は記憶力が悪いから、賢くない」などと考えてしまう人もいるでしょう。しかし、暗記する能力と、思考力や判断力は別物です。暗記が得意だからといって、必ずしも思考力なども同様に優れているとは限りません。 中には小学校の入学前から九九や百人一首など、さまざまなことを暗記させようと考える親もいるようです。機械的に物事を覚えて知識を増やすことは、脳のトレーニングという意味では決して悪いことではありません。 しかし、それだけでは本当の知恵は身につかないということを忘れてはいけません。子どもが覚えた物事に、どういう意味があるのかも併せて教えてあげるといいでしょう。暗記に偏らず、子どもの「考える力」を伸ばす教育もしてあげてください。
脳が知識を吸収しやすい子どものうちに、高度な知識を学習させることを早期教育といいます。外国語や音楽、スポーツなどさまざまな分野で早期教育が行われていますが、子どもには特に英語の早期教育をさせたいという親が多いものです。 実際、物事を学習するならば早いほうがいいというのは確かです。脳は何歳になっても学習に応じて最適化されていくものですが、その効率は脳年齢が若いほどいいのです。しかし、だからといって親が最優先に考えている分野ばかりを、勉強すればいいというわけではありません。 「わが子をバイリンガルにしたい」と考える親の中には、英語教育ばかりに傾注して、日本語の勉強を熱心にさせないパターンが少なくないのです。確かに日本語習得と同じ段階に英語も勉強すれば、スムーズに習得できるメリットもあります。ただ、母国語が疎かになってしまうのは危険です。 思考力の基本は、生まれ育った国の言葉です。これが発達していないと、物事を考えるときに、頭の中でどの言葉を使えばいいのかわからなくなってしまうのです。 その結果、英語は得意でも国語の勉強は苦手という、ちぐはぐな結果になってしまいます。英語だけでなく日本語で考える力を並行して伸ばしましょう。
学校での勉強だけではなく、一流に育てるためには人生において必要な物事を教えなければいけません。たとえばお金の大切さなどは、親が家庭で教えるべきことです。 お金の話自体を恥ずかしいと考える風潮がありますが、親子間では絶対に避けてはいけません。まともな金銭感覚が身についていない人は、たとえ裕福な家庭に生まれたとしても、身の破滅を招いてしまいます。 子どもにはお金を管理する大切さを教えるために、お小遣い帳をつけさせるといいでしょう。また、1年分のお小遣いをまとめて、自分で管理させるという方法もいいでしょう。 特にお金に余裕がない家庭ほど、子どもにお金の心配をさせたくないと考えて、多少無理をしてでも塾や習い事にお金をかけるケースがあります。しかし、子どもが大して本気でもない習い事にまでお金をかけるのは、時間もお金も無駄です。 さらに、子どもの金銭感覚を麻痺させて、「面倒になったらやめて、次は別の習い事をやればいい」というような安易な考えを起こしてしまいかねません。 子どものやる気を見極めて、本当に続けたいと思っていることにだけお金をかけてあげてください。子ども自身も本当に意味のある習い事に注力したほうがいいはずです。
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