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大人と比べると、子どもは伝えたいことをスムーズに話すことができません。それに言葉を話す能力は個人によってまちまちで、ゆっくりと考えながら、話す子は大勢います。 そのような子に対しては、手助けのつもりでも「それは○○ってことだね?」と、先回りして話してはいけません。急がさずに、子どもの話す一言一言をゆっくりと聞いてあげてください。 自分で考えて言葉にすることで、子どもの言語能力や思考力は向上します。それなのに、先回りをして親が話をまとめてしまうと、子どもはそこで考えることをやめてしまいます。 これでは子どもが成長するチャンスを奪っているようなものです。また、本当はもっと伝えたいことがあったとしても、子どもは「親が納得しているのなら、それでいい」と思ってしまうでしょう。 会話に限らず、日常のあらゆる場面においても同様です。たとえば、幼児が自分で服を着るのにもたついているからといって、最初から親が手を出してしまうケースです。このような先回りが多いと、子どもは自分から物事を考えなくなり、何でも親に依存するようになってしまいます。子どもの自立心を育てるためにも、無用な手助けはしてはいけません。
子どもはいくつになっても、しっかりとコミュニケーションができる関係でいたいものです。思春期になると、子どもにも独自の人間関係や生活サイクルが形成されてくるため、親との会話量は減りがちになります。最悪の場合、親が子どもから完全に無視されるなど、会話がなくなってしまうケースもあります。 これは多くの場合、思春期までに親子できちんとした信頼関係ができていないことが問題です。親が子どもにとって「大切なことを相談できる相手」になっていれば、コミュニケーションが断絶してしまうことはないでしょうか。 幼児期から子どもの話はどんなことでも真剣に聞くようにしましょう。「どうせ子どもの話すことだから」と考えて、話半分ですませるのはNGです。「話しても、どうせ真剣に聞いてもらえない」という印象を植えつけてしまいます。 また、「親の言うことだけが正解だ」と決め付けたり、頭ごなしに子どもの意見を否定したりするのはよくありません。建設的な意見ができない相手だと思われてしまいます。 子どもの相手をするときは、いつも真剣に、柔軟な発想を持って接してください。幼児期からの積み重ねが、将来の親子関係を決めのです。
子どもは好奇心が旺盛で、世の中のさまざまな物事に対して疑問を持っています。「なぜ、夜になると暗くなるの?」「なぜ、犬や猫は四本足で歩くの?」など、素朴な質問を受けることもあるでしょう。 ところが、家事がなどが忙しいとき、親はついつい「忙しいからその話は後でね」と話を打ち切って、そのまま忘れてしまうようなことがあります。 しかし、このままでは子どもの抱いたモヤモヤは解消されません。「そんなくだらないことに興味を持つくらいなら、教科書でも読みなさい」などと、疑問を持つことすら否定するのは最悪のパターンです。世の中の不思議に興味を持つことを、やめてしまいかねません。 子どもの疑問に対しては、きちんと向き合ってあげてください。何も、その場で完璧な答えを返す必要はありません。「そうだね、不思議だね。あとで一緒に、図鑑で調べようね」と、子どもの不思議に思う気持ちを尊重してあげましょう。また、実際に調べる前に「どうしてそうなるのか、考えてごらん」と、思考させるのもいいでしょう。 子どもの抱いた疑問について一緒に調べることで、子どもは「わからないことがあったら、こうやって調べればいいんだ」と学習できます。親子の信頼関係も深まるでしょう。
子どもの将来を心配する気持ちがあるから仕方ないかもしれませんが、親は子どもの進路に対して介入しがちになるものです。しかし、大切なのは、子どもに自分で目標を決めさせてあげることです。 人は誰しも他人から決められた道ではなく、自分で決めた道を歩みたいと思うものです。自分が本当に叶えたい目標のほうが、強いモチベーションを持って臨めるはずです。 子どもが進路を考える時期に入ったとき、親としては子どもが将来をどう考えているか心配になるのは当然です。しかし、子どもの人生は子ども本人のものです。進路を子どもに決めさせたほうが、子どもは満足のいく人生を歩んでいけるでしょう。 子どもにとって、進路の決定はそれまでの人生で数少ない、強い決断力を迫られる問題です。こうした経験を乗り越えて、子どもは自主性や決断力と同時に、責任感も養われるものです。 そもそも親に比べて現役の子どもたちのほうが、受験や進路の事情に詳しいかもしれません。親が自分の時代の常識を押し付けるよりも、子どもが自主的に調べた最新情報のほうが、現状に則している分役に立つはずです。 それに、主体性や好奇心が育っている子どもは目標を高く持ち、それに向かって邁進していけるものです。親の決めた進路を進むよりも自主的に努力し、最終的に素晴らしい結果を残せるでしょう。 ただし、親が子どもの行動に対して完全に口を出さないのは問題です。これでは単なる「放置」にすぎません。子どもが悩んでいるときや、大きく道を踏み外してしまいそうなときは、主体性を尊重しながら助言してあげるいいでしょう。
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