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未就学の子どもに、算数や英語を教えるのは決して悪いことではありません。正しく指導すれば、実際に学習効果はあるでしょう。しかし、一流に育てるためには、勉強以外の遊びの時間こそ大切です。 幼い子どもにとっては、この世界のすべてが学習教材のようなものです。熱心に動き回ったり、周囲にあるさまざまなものをじっと観察したりするだけでも、子どもの頭の中では複雑な反応を起こすのです。 幼児期の子どもは不思議なひとり遊びをすることがあります。玩具を手にして延々としゃべり続ける、ひたすら動物の真似をする、シールを貼ったり剥がしたりし続ける、小石を並べ続けるなど、親には何をしているのか理解できないでしょう。 これらの行動を、やめさせようとするのはNGです。声をかけるのも、集中を阻害するため控えたほうがいいでしょう。子どもが遊びに集中しているとき、その脳内では大きな変化が起こっています。そこで得た発見やひらめきは、子どもの成長にとって大切なエネルギーとなります。 親に理解できない行動を意味のない遊びと勝手に決め付けて、子どもの自由な遊びを妨げてはいけません。玩具の遊び方が説明書どおりでなくても構いませんし、時間や場所が許すのであれば不可解な声を出してもいいでしょう。危険が及ばないようであれば、自由に遊ばせてあげていいのです。 日常の小さな不思議に気づく感受性や好奇心は、勉強だけでは育ちません。そして将来自発的に勉強できる子どもに育てるためには、感受性と好奇心が必要不可欠です。 ★ 成長した子どもにとっても、遊びは頭を鍛える大事な要素 子どもが成長し、小学生になってからも、遊びを疎かにしてはいけません。学校や塾での勉強に加えて、自宅学習も大切ではありますが、自由な時間がゼロでは感受性や好奇心が衰えてしまいかねません。 ゲーム機やスマホなどでのデジタルゲームは、友達とのコミュニケーション手段にもなり得るため一概に「悪」とはいえませんが、できれば脳にとってプラスになる遊びを推奨したいところです。 たとえばボードゲームやカードゲームは、論理的な思考力を鍛える優秀な教材です。直接、人と顔を合わせて遊ぶことで、コミュニケーション能力を磨くこともできますし、勝ったときの嬉しさや負けたときの悔しさが、やる気や根気、集中力を高めます。 終了後は将棋や囲碁にならって感想戦を行うとさらにいいでしょう。たとえば「あの場面であの手段を選んだのはなぜか」などを話し合ってみてください。低学年の間は具体的に説明できないかもしれませんが、「あのカードを守りたかったんだね」などと親が説明を補ってあげることで、徐々に自分でも論理的に考えられるようになります。
子どもの積極性を伸ばし、知的好奇心を育てるためには、子どものやりたいと思ったことをどんどんとやらせてあげるべきです。 たとえば、「友だちと同じ習い事をしたい」と言い始めたときは、可能であれば一度やらせたあげたほうがいいでしょう。どうせ一過性の思いつきで長続きしないだろうと思っても、無料の体験教室などがあれば、挑戦させてあげてください。 子どもの考えを否定し、挑戦の機会を奪うのではなく、成功を願って応援をするべきです。親からの応援は子どもにとって、とても心強いものなのです。また、全力で応援してもらった子どもは責任感を覚えるため、長く続ける可能性が高まります。 未知の挑戦には勇気がいるものです。子どもが新しいことに挑戦しようとするときは、子ども本人にも果たして続けていけるかどうか、不安に思い気持ちはあるでしょう。しかし、その不安を乗り越えようと挑戦することで、それが成功するにしろ失敗するにしろ、大きな精神的成長が期待できます。
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