|
子どもが学び、考え、成長するためには、住環境も大切です。乱雑な部屋の中で「さあ勉強しなさい」と言われても、なかなか集中できるものではありません。 住環境はそれぞれの家庭によって、まったく異なります。騒音が激しい、日当たりが悪い、十分な広さを確保できないなど、ネガティブな要素を抱えた家もあるかもしれません。それでも、工夫次第で子どもが育つ環境に近づけられるのです。 お金をかけてリフォームをしたり、引越しをしたりしなくても、住環境を改善することはできます。 ところで、子どもための住環境として、真っ先に思い浮かぶのが子どもの自室ですが、子どもが自分ひとりで入浴できるようになったくらいから与えるのがいいでしょう。 第二次性徴が始まり、大人の体へと変化する過程の時期からは、子どものプライバシーを気にしてあげてください。それまでは、無理に子どもひとりの自室を用意しようとする必要はないのです。
居間の一角に、子どものためのスペースを用意してあげてください。勉強をするときだけなく、遊んだり本を読んだりするときにも、自分専用のスペースがないのは不便です。 専用のスペースといっても、わざわざパーティションなどで区切る必要はありません。小さな椅子やテーブルを用意してあげるだけでいいでしょう。バスタオル大のマットを敷くというものでも構いません。大人からすれば小さな空間でも、子どもは「自分専用」のスペースに喜びと自尊心を持ちます。 さらに、子どもは「ここでいろいろなことをやりたい」と考え、自分から勉強する可能性もあるでしょう。親にとっては、子どもが自分のスペース以外を汚しにくくなるというメリットもあります。 スペースを用意したら、「そこならいくらものを散らかしてもいいが、使い終わったら自分で片付ける」などのルールを決めたください。自分のスペースを、きちんと管理するという責任感が育ちます。
あなたの家では、テレビはいつでもつけっぱなしが当たり前になっていませんか?その状況は、子どもの成長にとって非常に問題です。 テレビがつけっぱなしの環境では、常に不必要な情報が垂れ流しになっています。特別に見たい番組を見るわけでなく、情報番組やバラエティ、ドラマを無節操に流し続け、ただただ受動的にそれを見る。これが繰り返されていると、自分で考える能力が衰えてしまいかねません。 また、幼い子どもの場合、言葉を教えるつもりでテレビを見せても言語能力は育ちません。自分に実際に向けられた言葉を耳にし、自分でも口にすることで、ようやく言語能力は発達するのです。テレビを見せるのではなく実際の会話を大切にしてください。 ほかにも、近くの画面を凝視し続けることによる視力の低下やデライアイ、体を動かさなくなるため筋力の低下を招くなど、テレビによる悪い影響は多いのです。 そもそも、テレビは居間に置くべきものでしょうか?確かに良質な番組も存在しますが、それだけ見せ続けるのは難しいでしょう。いっそ、居間からテレビを追い出して、夫婦の寝室などに移動させてもいいのではないでしょうか。
欧米では自立心を促すという観点から、乳幼児のころから、ひとりで寝かせることが珍しくありません。日本でも子どもの成長のために、このスタイルを真似る人がいるようです。 しかし、最近の研究では、親子が別々に寝ることは本来あるべき親子関係を阻害し、将来的な子どもの問題行動の原因になるともいわれ、欧米では添い寝が推奨されつつあるようです。 無理にひとりで寝かせようとせず、子どもの成長を待ちましょう。子どもが思春期に入り、自分からひとりで寝たいと言い出すまでは、同じ寝室でもいいのです。親子のスキンシップを大事にしてください。 特に幼い子どもの場合は、眠る前の時間を学びの時間としても役立てるといいでしょう。定番の読み聞かせは、子どもの好奇心や想像力を育てるだけでなく、同じ物語を共有し、共感するという親子のコミュニケーションにおいて重要な効果もあります。 子どもに読み聞かせをせがまれるのは大変ではありますが、学びだけでなく、親子の絆を深められるとも考えれば、義務的にならず楽しく続けていけるのではないでしょうか。 親子一緒の寝室を使って自立心を育てたければ、子どもと一 緒にベッドメイキングを行い「プライベートな場所も整頓する」という考え方を教えるといいでしょう。
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright (C)2018. 子どもの立派な育て方・しつけ方 All rights reserved. |