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「何度教えてもうまくできない」と親は時間や心に余裕がないときなどは、思い通りにならない育児にイライラが募ってしまいがちです。特に子どもと向き合う時間が多い母親が、感情的になって怒鳴ってしまい、後から自己嫌悪に陥るというケースはよく耳にします。 ですが、考えてみてください。子どももきっと、親の言う通りにできないことで、ストレスを感じているはずです。「何回もチャレンジしているのに、できない」「昨日は褒めてもらえたけど、今日は怒られてしまうかも」というように、子どもも不安を抱えているのです。 子どもはいつだって、親の期待に応え、新しく覚えた歌を何度も披露しにきたりしませんか?何度もブロックで高いタワーを作ってはいませんか?同じ折り紙を、いくつも折ったりはしていませんか? それは以前言われた「よく頑張ったね」が嬉しくて、その子にとっての自信のよりどころになっているからです。たとえ今、上手にできていなくても怒らないであげてください。 昨日より少しでも成長が見えたところを認めてあげてください。子どもは失敗からも多くのことを学びます。根気強く、上手にできるまで寄り添ってあげてください。
子どもに目標を達成させるため、ご褒美を用意するのは悪くはない手です。しかし、お小遣いやプレゼントを用意するのには限度があります。それに、達成する前に代替品を手に入れたり、ご褒美がほしくなってしまえば、一気にモチベーションもなくなってしまいます。 ところで、ずっと跳べなかった跳び箱が、ついに跳べるようになったときの気持ちをあなたは覚えていますか?跳べるまでの間には「友だちが高い跳び箱を跳んでいるのが羨ましい」「私もあんなふうにかっこよく跳び箱を跳べたらいいのに」という、憧れの感情があったのではないでしょうか。 ほしいものを手に入れるための努力でも成果はありますが、このようになりたい自分になるための努力でも、モチベーションは大きく上がるものなのです。ご褒美ほど派手な演出はありませんが、努力や成功体験から得られる喜びは、実力や自信となって確実に返ってきます。そしてそれは次の努力へとつながるのです。 また、ものを得るためにする努力は一時的で、手に入れてしまえば終わりですが、自分のためにする努力は一生続けられます。ご褒美で釣る方法は、普段やる気のない子どもに対しては一時的な効果は期待できますが、万能ではないということを知っておきましょう。
夫婦で育児に対する意見にズレが生じると、子どもは混乱してしまいます。しかし、夫婦がふたりとも子どもに厳しく接したり、逆に甘やかして何でも子どもの言う通りにしたりというのは、子どもに対して悪影響を及ぼすのです。 たとえば悪いことをした子どもに注意する場合、厳しく注意されると、子どもの中で反発心が生まれてしまい、せっかくの助言も素直に受け入れられなくなります。 このような、注意をされた後で心を閉ざしてしまった子どもに対しては、誰か味方になってあげる役割が必要です。 注意された子どもが落ち着いてきたところを見計らい、注意していないほうの親が声をかけてあげてください。そして、子どもの言い分に静かに耳を傾けてあげましょう。親の立場からすると正しくないことを言っていても、否定してはいけません。それではせっかく開きかけた心が、また閉ざされてしまいます。 じっくりと話し合い、どうするべきだったか解決策を一緒に探してあげましょう。子どもは大人より経験も言葉も足りません。ですから、善悪を教えて指針となる役割と、未熟な部分をフォローして導き手となる役割、その両方が必要なのです。
人生において、自分で決定する力はとても大事です。最近、若い人たちの中には自分で物事を決められず、親が決めないと何もできないという人が増えているようです。主体性が満足に育たなかった結果でしょう。 幼い子どもは、自分で物事を判断する力がとぼしいものです。そして正しい決定をできない心は、反発心として周囲に向かうことがあります。「イヤイヤ期」や「第一次反抗期」に手を焼く親は大勢いるでしょう。 何をするにしても反発したい時期の子どもは、どんな決定をするにせよ「嫌だ!」と暴れて、親の言うことを聞きません。AとBのふたつの選択肢があるとして、どちらを選んでも、ましてや選ばなくても嫌だと反発するのですから、親もイライラしてしまうことでしょう。しかし、ここで怒っても何も解決はしません。 このようなときは「どうしたいの?」と聞いて、子どもに自分で本当にやりたいことを決めさせてみてください。「嫌だ」を繰り返す子どもは自分の感情と体がうまく一致していないため、何を決めればいいのかわからないのです。 最初はうまくいかないとは思いますが、自分の本当の気持ちを決める練習をさせ、主体性を伸ばしてあげてください。
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