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子どもを持つ親にとって、「我が子が社会を生きていくために、どのような力を身につけさせるか」は重要なテーマです。 現在、日本の社会をさまざまな問題が取り巻いています。少子高齢化による若者層への負担増、格差の広がりによる社会の不安定化、地域社会の結びつきが薄れることによる規範意識の低下など、個人が容易に乗り越えられる問題はありません。 これらの問題を乗り越えるためには、子どもがで立できる知恵を身につけること、そして周囲の人と支え合う心を持つこと、その両方が必要になります。 知恵を身につけるためには、好奇心が必要不可欠です。自分から貪欲に知識を吸収し、学ぼうとする意欲を育てなければなりません。また、物事を最後までやりぬく力があれば、次々に新しい知識を開拓していけるでしょう。そして、身につけた知識は必要な場面で使えなければ、宝の持ち腐れです。 発想力や想像力は、その知識を使いこなして知恵として身につけることで、困難を打破するカギとなるはずです。 人間は社会的な動物です。ひとりでは世の中を渡っていけません。個人的な知恵を高めるだけでなく、協調性やコミュニケーション能力、そして責任感も育てるべきです。
どんなときでもプラス思考で構えたほうがいいでしょう。 まずは「うちの子なら大丈夫。何だってうまくいく!」と考えてください。 明るく楽しく、前向きな仮定で育った子どもは、前向きな性格になりやすいものです。子どもにプラス思考でいることの大切さを教える一番の方法は、親がプラス思考でいることです。 明るく前向きに物事を考えられる子どもには、多くの場合、強い自信が備わっています。自信のある子どもは困難を目の前にしたとき自分から行動できるものです。 反対に、マイナス思考で何でもネガティブに考える親や、心配性で小さなことでもすぐに叱る親の元で育った子どもは、後ろ向きで自信のない性格になる傾向があります。マイナス思考で自信がない子どもは、困難を前にして立ち止まってしまいがちです。家庭環境が子どもの性格に与える影響は決して少なくないということを、忘れないようにしましょう。
子どもには優秀であってほしいと願って「成績が第一」という教育方針をとる親は少なくないでしょう。もちろん、勉強ができるに越したことはありませんが、そうあってほしいという思いが強すぎた結果、子どもにネガティブな影響を与えてしまうおそれがあります。 たとえば、テストの点数がいいとき褒めて、悪いときは厳しく叱るということを繰り返すと、勉強は「親を喜ばせるため、ひいては自分が叱られないため」のものになってしまいます。 しかし本来、勉強は親のために行うものではありません。自分自身の知識を増やし、成長するために行うものです。 子どもは、他人から押し付けられたものよりも、自分から興味をもったもののほうに強い関心を示します。親から叱られないために、強制されて勉強したとしても、勉強を好きになれるかは疑問です。子どもが自然に「勉強するのは当たり前」だと思えるほうがベターでしょう。 そして成績第一の教育方針の結果、子どもがたとえ勉強が得意になったとしても、それが人間的にプラスの成長を促すとは限りません。「成績が優秀であることが何よりも大切」「勉強が得意な人は何よりも偉い」というような、成績がすべての考え方になってしまいかねないのです。 勉強ができることや学歴が高いこと、幅広い知識を持っていることは、人間として優れているということではありません。事実、勉強が得意でなくても、それ以外の分野で活躍し、社会に貢献している人はたくさんいます。 反対に、たとえ勉強が得意でも周囲の人に迷惑をかけてしまうような人もいるのです。それなのに「自分は勉強ができるから優れている」などと考えてしまったら、一流の大人として大成できるとは思えません。 人格面でも一流の大人に育ってほしいと願うのであれば、子どもに「成績だけがすべてではない」と教えてあげることも大切です。
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