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世の中には子育てに関するマニュアルがいくつもあります。しつけに関するマニュアルもひとついえるでしょう。こういったものには「こうすればいい子に育つ」というような方法論が書かれています。 中にはマニュアル通りにやっているのにうまくいかず、「自分の子どもはほかの子よりも能力が劣っているのでは?」などと思ってしまう親もいます。 しかしそれは大きな勘違いです。身体的な能力や精神的な成長の度合い、性格などは、子どもによってそれぞれ地がいます。そのため、マニュアル通りに育てていても、その通りにならないことは往々にしてあるのです。 また、「このマニュアルには夜の8時には寝ないといけないと書いてあるのに、夜の9時になってしまった」というように、マニュアルから少しでもずれてしまうことを大問題だと考えているしまう親もいます。しかしマニュアルの内容を絶対と考えてしまうと、想定外の事態に対処できなくなりかねません。 マニュアル通りでないと気がすまない親に育てられると、何をするにも誰かからの指示が必要な、主体性のない子どもに育ってしまいます。自主的に考えられる子どもに育てたければ、親自身も柔軟な対応が必要です。
物事が早く正確にできる人は、たいていの場合が「賢い人」の条件とはならないはずです。時間をかけてじっくりと物事を考えられる人もまた、賢い人なのです。 のんびりした子どもを持つ親はつい、「早く、早く」「急いで」と声をかけたくなってしまう場面があるかもしれません。素早くできる子と比較して、うちの子はついていけるのかと心配になることもあるでしょう。 しかし、子どもはそれぞれ性格が違いますし、成長のペースも異なります。ゆっくりと、それでいて着実に大人になっていくものです。焦る必要はありません。 時間をかけてじっくりと考えられるということは、根気があるということでもあります。素早さだけでなく、我慢強さや忍耐力もまた重要な能力だということを忘れてはいけません。我が子がたとえば、地道な研究の積み重ねによって大発見をする科学者になり得ると考えてください。素早さだけが重要ではないのです。 また、スピードばかりを重視する考え方では、短期間で芽が出ない物事を途中で投げ出してしまうおそれがあります。親の側も焦りを捨てて、せっかちにならないように注意しましょう。
過程と結果ではどちらが大切かという問題はよく耳にしますが、実際はどちらをとるべきでしょうか。どちらか一方のみに偏るのは健全ではありませんが、特に結果だけを重視した場合のほうが、子どもの成長によくない影響が起こりがちです。 結果がすべてという考え方をすると、途中でどれだけ努力をしても、失敗すればそれは無意味だということになってしまいます。そうなると、失敗を過剰に恐れたり、途中で駄目だと感じた場合に努力を放棄したりしてしまう危険性があるのです。 目標を目指す過程でよく考え、努力し、行動をしたという経験は、子どもにとって確実にプラスになります。勉強にせよスポーツせよ、努力した経験は自信となり、次に目の前に困難が現われたとき「あのとき頑張れたのだから、今回も頑張ろう」という意欲につながります。 これは結果の良し悪しとは無関係です。しかし結果を重視していながら失敗した子どもは、次に困難を前にしたとき「あのときの努力が無意味になってしまった」と、諦めてしまうかもしれません。 諦めずに挑戦すれば、成功する可能性もあるのにです。まずは過程を重視し、努力を認めてあげましょう。過程が充実していれば、結果もついてくるものです。
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