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詰め込み式の暗記や早期教育の偏重には注意が必要です。たとえば、九九を幼いうちに覚えたとしても、それは「知っている」というだけであり、「知恵がある」わけではないのです。 ところが、同世代の子どもたちより早く九九を覚えた子を、親は高く評価するでしょう。もちろん九九は覚えるのに越したことはありませんが、「覚えること」だけに気をとられて「算数の面白さ」を理解できないと、算数が好きな子どもにはなりません。 子どもが九九を覚えている最中に「九九の中には答えが同じになる掛け算がある」などの法則性に興味を持ったら、それがどうしてなのか考えさせてあげてください。そう簡単には応えにたどり着けないかもしれませんが、ここで感じた「なぜ?」は子どもの思考力を大きく伸ばすでしょう。 「ただ九九を丸暗記すればいい」と思った子よりも、数学的素養が身につく可能性があります。 学習の目的は「テストでいい点数をとるため」だけではありません。思考力を伸ばし、子どもの興味のあるものや得意なものを探すという役割もあるのです。「なぜ?」という思考の寄り道を大切にして、子どもにだんな才能があるかを確かめてあげてください。
子どもが何か失敗したとき、あなたはどうしますか?このような場面で感情的に叱ったとしても、百害あって一利なしです。失敗すること自体は決して悪いものてばありません。 その経験から反省し、次に同じような場面で失敗しないように成長すればいいのです。失敗を重ねた人は、失敗に対する対処法をたくさん知っているということでもあるのです。 むしろ、これまで失敗もなく順風満帆に歩んできた人は、失敗をしてしまったときの対処法を知りません。成績優秀で挫折を知らない子が受験に失敗し、大きなスランプに陥ってしまったというケースは珍しくありません。 特に大きな失敗に対しては、厳しく叱ったりしないことです。子どもも「失敗してしまった」という事実を自覚し、反省もしています。その状態からさらに追い詰められたら、立ち直れるものも立ち直れません。 子どもの話を聞き、次はどうすれば失敗をなくせるか、子どもに考える機会を与えてください。失敗を乗り越えることで、思考力を身につけられるだけでなく、精神的にも大きく成長できるはずです。 ただし、小さな失敗を繰り返している場合は注意するべきです。本人が見過ごしているケースもあるため、気づかせる必要があります。その場合も感情的になってはいけません。
子どもに対して口にしてはいけない言葉はいくつもありますが、親からすれば軽い気持ちで口にした言葉が、子どもからすると罵倒や暴言のように突き刺されることがあります。 ほかの子どもと比較する言葉は、絶対に言わないようにしましょう。人はひとりひとり別の人格を持っています。そこには個性があっても、上下の差はないはずです。 それなのに、ある一面だけを見て「ほかの子にできていることがどうしてできないの?」と責めるのは厳禁です。子どもは発奮などせず、傷つくだけに終わります。 それに、子どもが「自分より劣る相手には、何を言ってもいい」と勘違いしてしまうかもしれません。軽率な比較の言葉は、差別やいじめを招く危険性があるのです。 兄弟姉妹の間でも、こうしたコンプレックスは生まれます。「お兄ちゃんを見習いなさい」「妹にできることが、なぜあなたにはできないの?」など、口にするべきではありません。個人の性質や成長のペースは違います。 個性を尊重してあげてください。子どもには苦手なこともあれば、得意なこともあるはずです。そこを認めてあげましょう。
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