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世の中には、3日坊主の人が大半を占めていますが、なぜ3日坊主になるのかと言えば、「今日ぐらい、いいだろう」という例外を認めてしまうからです。 毎日、日記をつけようと決意したものの、途中で1回、「今日ぐらいはつけなくてもいいだろう」という日があると、ずるずると「今日ぐらい」という例外日が増え、いつしか例外が例外でなくなったという体験をお持ちの方も少なくないでしょう。
いったんルールを決めたら、例外を認めないことが、そのルールを守る最良の方法だというわけですが、このことは、とくに子どもをしつける上で大切なことです。というより、しつけの基本は、何ごとにも動じない一貫性にあるのです。子どもの側にしてみると、同じことをして叱られたり許されたりしたのでは、いくらしつけに工夫をこらしても、ザルで水をすくうようなものです。 その意味でも、子どもが何かをせがんだとき、その要求に根負けして「しょうがないわね。今日だけよ」「これ1回だけですからね」と、条件をつけて子どもに譲るのは、せっかくのしつけの効果を失わせてしまいます。
いくら子どもに「今日は例外です」と念を押しても、「今日だけよ」と例外を認めてしまえば、明日が今日になることは当然の理です。そしいて、いったんくずれてしまったルールを回復させることは、ゼロから出発するよりも何倍も難しいことは、誰でも経験していることでしょう。しつけに例外を認めるのは、子どものわがままを助長するようなものです。 イギリスなどでは、公園の花壇には子どもは入れないというルールがあるようですが、子どもが花壇で遊んでいると、それを見かけた大人は、必ず子どもに注意して叱るようです。たとえ自分の子どもであろうとなかろうと、それは変わらないということですが、地域社会全体が、一貫して子どものしつけにあたっているということです。 一般に日本人には、みんなで決めたルールでも、そのルールを破る例外を認めることに寛容すぎるようです。 もちろん、ルールに例外を認める日本にはそれなりのよさもありますが、ことしつけになると、このような日本人の心理傾向が、子どもを知らず知らずのうちにわがままにしてしまっている、言ってもよいでしょう。 しつけを効果的に行うには、最初に断固例外は認めないという姿勢を示すことが大事です。子どもの我がままに対しても、最初に断固拒否を貫いておけば、あとは意外にスムーズにいくはずです。 |
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