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大声で泣きわめく子に、負けじとカン高い声で叱責の言葉を浴びせている母親の姿をよく見かけますね。 大声で泣く子どもに対して、母親がヒステリックに叱責の声を高めれば高めるほど、子どもの声は高くなりこそすれ、低くなることはありません。子どもの声を高めさせているのは、じつは母親のカン高い声であるとさえ言えるのです。 事実、この種の母と子の言い争いは、際限なく続き、どちらかが疲れ果てるまでエスカレートしていく傾向があることは、誰もが幾度となく目撃していることでしょう。 ここから導き出される結果は、叱責の言葉こそ、ふだんの会話より、もっと低い調子で語りかけるくらいのつもりになることが必要ということです。
★ 第一の理由 低い声は、感情のエネルギーが噴出した高い声とは対照的に、「理性」を感じさせます。逆に言えば、低い声を使うことによって、相手から自分が理性的に思われると同時に、事実、自分が理性的になれます。 ★ 第二の理由 低い声は、相手と二人だけの話、ほかの誰でもないあなたへの語りかけであるということが強調される点です。演説の声のように、大きな声というのは、「公の声」であるのに対し、小さな声は「私的な声」であり、いわゆる「差しで話す」という人間関係を作り出します。 ★ 第三の理由 ふだんと違う口調という点で、話し手のいつにない重大な決意が感じ取れます。心して聞かないと大変だという相手の注意を喚起できるのです。 ★ 第四の理由 低い声は、物理的に言っても、世親を集中し耳に全神経を集めないと聞き取れません。最初は話される内容を聞き入れるつもりはなくても、聴覚をそこへ傾けさせることが、内容の受け入れにつながることが少なくないての゛す。 こうしたさまざまな点を総合してみると、低い声、穏やかな話し方というのは、相手の傾聴を誘うことがわかります。少なくとも、声高の言い合いがエスカレートするのを防ぎ、子どもを自分の土俵に引き込むことができるのです。 |
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