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人の気持ちは「イエス」と「ノー」だけに分けられるものではありません。あいまいなところがあるからこそ、人間らしいのです。パソコンに順応すると奥深さのあるあいまいさが理解できなくなります。 こんなやり取りがあります。 「レポートは今週中に提出するように」 「享受、今週中というのは土曜日のことですか、それとも金曜日のことでしょうか」 「土曜日は休みだから金曜だね」 「金曜日の何時までですか? 夜中の12時前ならいいんでしょうか」 「それはちょっと・・・常識的な時間に提出してください」 「常識的な時間って・・・」 教授としては最悪、月曜日の朝、研究室のポストに投げ込んであればいいやと、ややあいまいな気持ちで「今週中」という言葉を使ったのでしょうが、白黒つけなくては(正確な日時を確かめないと)気がすまないという学生がいるようです。 心理学的に見ると、彼らは「コンピュータ過剰適応型」のテクノストレスに晒されているのかもしれません。 ふつう一日中コンピュータを使っていると、なんとなくだるくなったり無気力を感じ、コンピュータから離れてストレスを発散したくなりますが、コンピュータの1と0、つまりイエスとノーという2進法的発想に接しすぎると、その状況に不自然な形で適応してしまうことがあります。これが「コンピュータの過剰適応型」のテクノストレスです。 基本的にコンピュータの答えはイエスかノーで、グレーゾーンはありません。文字をひとつ打ち間違っても理解してくれず、再入力を要求されます。 しかし、人のコミュニケーションや会話には、グレーゾーンが多く含まれています。極端にいえばほとんどがグレーゾーンといってもいいでしょう。コンピュータの2進法的な発想に同化してしまうと、そのようなあいまいな会話を無価値なもの、煩わしいと感じるようになってしまいます。 これからの時代、パソコンを使えることは必須ですが、ものには限度があります。子どもがコンピュータばかりやっていたら、「たまに外で遊びなさい」と言ってあげましょう。 |
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